ブローデル『地中海』 その1
ブローデルの地中海を読んでのメモ。
1572年(レパントの海戦のすぐ後)にオスマン・トルコがキプロス島をヴェネツィアから奪った際に,ほとんどのギリシャ人(ギリシャ正教徒)はヴェネツィアに協力せず,またトルコ領になった後は,輸出産品(綿花,ワイン,砂糖)の生産に従事させられていたヴェネツィア支配期よりむしろ住民の生活水準は上がったそうな。
ヴェネツィア大好きな塩野七生の小説を読むと,異世界たるトルコに飲みこまれていくキリスト教文化圏・・的な描き方がされているが,実際はそんな宗教対立に還元できるような単純な話ではなかったという話。
あと,シチリア島って以前は地中海世界における主要食料供給地という位置づけだったんだね(カナダやアルゼンチンなどの新大陸諸国のような)。恥ずかしながらまったく知らなかった。今でこそレモンやオレンジ,ワインの名産地というイメージだが。。